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2022年11月28日

【コラム】ワンウェイ容器とはどんな容器?ワンウェイ容器が抱える課題とは?

22/08-5-1

ワンウェイ容器とは、現在の形状のまま再使用されることがない容器のことです。リサイクルをすることが可能ですが、リターナブル容器に比べてワンウェイ容器はさまざまな課題を抱えています。今回は、ワンウェイ容器について紹介します。

 

■ワンウェイ容器について

ワンウェイ容器は軽く扱いやすい反面、SDGsの視点から考えるとさまざまな課題があります。まずは、ワンウェイ容器について紹介します。

・ワンウェイ容器とはどんなもの?

ワンウェイ容器とは、その形状のまま再使用されない使い捨て容器のことです。つまり、ワンウェイとは「1回使い切り」「使い捨て」を意味し、一度消費された後、ゴミまたは資源として市町村により回収されます。使用後に回収・洗浄・再利用するリターナブル容器とは異なり、その形状のまま再使用されることはありません。
テイクアウトメニューの食べものや飲みものの容器など、私たちの生活に欠かせないワンウェイ容器ですが、環境への意識が高まっている近年では、ワンウェイ容器の使用が見直されています。

・ワンウェイ容器に該当する容器とは?

ワンウェイ容器には、ペットボトルやスチール缶、アルミ缶、回収システムのないガラス瓶などが該当します。かつてはリターナブル容器が多く利用されていましたが、1970年以降スチール缶が増え、1980年代後半からは主体がアルミ缶へ変わり、ゴミとなっていました。
しかし、ゴミの増加や資源の無駄遣いが懸念され、1990年以降はほとんどの自治体で空き缶の資源回収が行われています。
ワンウェイ容器には、ペットボトルやスチール缶、アルミ缶、回収システムのないガラス瓶などが該当します。かつてはリターナブル容器が多く利用されていましたが、1970年以降スチール缶が増え、1980年代後半からは主体がアルミ缶へ変わり、ゴミとなっていました。
しかし、ゴミの増加や資源の無駄遣いが懸念され、1990年以降はほとんどの自治体で空き缶の資源回収が行われています。

・なぜワンウェイ容器が増加している?

ペットボトルや缶類などのワンウェイ容器が増加した主な理由は、下記の通りです。
●商品の多品種化に伴い、容器も多品種化
●ワンウェイ容器の製造費や購入費が低下
●テイクアウトやコンビニ弁当など販売や購入形態の変化
●核家族化・少人数世帯化の増加
特に、消費者のライフスタイルの変化が商品の多品種化や販売・購入形態に変化をもたらし、容器の多品種化を促進したと考えられます。
さらに、核家族化・少人数世帯化の増加は、ケース単位での購入を衰退させ、リターナブル容器の需要を減らした原因と言えるでしょう。

・ワンウェイ瓶はリサイクルできる

ワンウェイ容器の中でも、ワンウェイ瓶はリサイクル可能です。
主にワンウェイ瓶は資源ゴミや集団回収、販売店などで回収されると、業者が瓶を色別に分類し、洗浄してから異物を取り除いて粉砕します。粉砕したガラスは「カレット」と呼ばれ、製びん工場に運ばれた後、再びガラス瓶に生まれ変わるのです。
そのため、ワンウェイ瓶は他の物質に変化したり劣化したりせずに、ガラス容器として何度でも再生できます。
リターナブル瓶のようにその形状のまま洗浄・再使用はできませんが、サステナブルな社会を実現するためには、リサイクルに適した容器と言えるでしょう。

 

■ワンウェイ容器のリサイクルについて

形状のまま再使用されないワンウェイ容器ですが、すべてゴミとして捨てられるわけではありません。ここでは、ワンウェイ容器のリサイクルの種類や流れを紹介します。

・ペットボトルのリサイクルには2種類ある

ボトル to ボトルとは、使用済みのペットボトルを一旦フレーク状の資源とし、再度ペットボトルとして生まれ変わるリサイクルシステムです。フレークに原料化する際に異物を完全に除去するため、石油から作るペットボトルに引けを取らないきれいなペットボトルが完成します。
そのため、ボトル to ボトルは何度も再生できる高度な循環型リサイクル方法と言えるでしょう。

<カスケードリサイクル>

カスケードリサイクルは、使用済みのペットボトルからできたフレークを使い、ペットボトル以外の製品を作ることです。
通常、資源やエネルギーを再利用すると品質が下がるため、下がった品質に応じて何度も利用されます。つまり、同じレベルで複数回使用するボトル to ボトルとは異なり、元の製品には戻らず品質の低下を伴うリサイクル方法です。
カスケードリサイクルからできる製品には、食品トレイや卵のパック・防草シート・肌着などがあります。

・ワンウェイ瓶のリサイクルの流れ

ワンウェイ瓶のリサイクルの流れは下記の通りです。
1.消費されたワンウェイ瓶は資源ゴミや自治体、販売店などで回収される
2.カレット業者によって瓶を色別に分類・洗浄・異物除去・粉砕し、「カレット」を作る
3.製びん工場に運ばれカレットを原料として再びガラス瓶を製造
4.ボトラーでお酒やジャムなどの中身を詰めて新たな製品に生まれ変わる

 

■ワンウェイ容器が持つ課題とは

ワンウェイ容器はリターナブル容器と比べるとさまざまな課題を抱えています。手軽に使えて身近な存在のワンウェイ容器には、どのような課題があるのでしょうか。

・ワンウェイ容器はエネルギー消費量が多い

ワンウェイ瓶はリターナブル瓶と比較して、原料の調達から製造、回収、廃棄までを考慮するとエネルギー消費量が大きい傾向にあります。
特に、リサイクルされない使い捨てのワンウェイ瓶は、アルミ缶やペットボトルよりも製造から廃棄までのCO2発生量が多くなります。
さらに、ガラスはペットボトルなどの他の容器より重量が大きく、物流効率が悪いこともCO2排出量増加の原因です。
出典:東京壜容器協同組合

・廃棄物として処理される場合も多い

日本ではリターナブル瓶の需要が減り、ワンウェイ瓶のほうが多く使われています。
ワンウェイ瓶はリサイクル可能ですが、カレットを作る際に割れて異物の混入があったり、色が混ざったりしてしまうとリサイクルができません。リサイクルできなかったガラスは廃棄物として処理される場合も多く、最終的には埋め立てられてしまいます。
ガラスはペットボトルなど他の廃棄物と比べると重量が大きく、廃棄物が増えると埋め立て量も増加する要因にもなりかねません。
ただし、仮にすべての飲料容器がリターナブル瓶になった場合、飲料容器の固形廃棄物排出量がおよそ89%削減されることもわかっています。需要が少なくなっているリターナブル瓶ですが、環境問題を考えるうえで、なくてはならない容器と言えるでしょう。
出典:日本ガラスびん協会

・ワンウェイプラスチック削減に取り組むための法律である「プラスチック資源循環促進法」が制定

2022年4月から施行されたプラスチック資源循環促進法とは、「プラスチックの製品設計から廃棄物の処理に至るまで、各段階に関係する事業者や消費者に加えて、自治体などが連携して資源循環の取り組みを実行し、プラスチックの資源循環を実現するための法律です。
私たち一人ひとりが環境に優しいプラスチック製品を選び、プラスチック製品の分別・回収・リサイクルに協力することが容器包装廃棄量減少につながり、持続可能な社会に貢献する一歩となるでしょう。

 

■まとめ

ワンウェイ容器とは、その形状のまま再使用されない容器のことです。リサイクル可能なワンウェイ容器もありますが、さまざまな理由からリサイクルできなかった場合は廃棄物として処理されてしまいます。
私たち一人ひとりが地球環境問題を考えなければならない今こそ、ワンウェイ容器が抱える課題を再認識する必要があるでしょう。

 

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