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2024年01月29日

【コラム】ガラスびんの製造工程やガラスの原材料について詳しく解説!

 

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「ガラスの原材料ってなに?」「ガラスびん製造工程を詳しく知りたい!」という方に向けて、出荷までの流れを詳しく説明します。また、ガラスびんの原材料や製造される主な種類についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

 

■ガラスびんの原材料

 

ガラスびんの製造は、原材料の計量・調合から始まります。原材料の計量・調合は、ガラスびんの強度や品質を決める重要な工程です。まずは、ガラスびんに使われている原材料の種類と、その特徴を確認していきましょう。

 

・カレット(ガラス)

カレットとは、家庭などから回収された空きびんを細かく砕いたガラス片のことです。ガラスびんに使われる原料の約70%がカレットであり、びんtoびんのリサイクルに欠かせない原料の一つになっています。

 

・石灰石(炭酸カルシウム)

石灰石は、ガラスに化学的耐久性を与えます。内容物の品質維持が役割であるガラスびんにとって、石灰石は必要不可欠な原料です。また、炭酸カルシウムの中でも安価で入手しやすく、原料コストを削減できます。

 

・ソーダ灰(炭酸ナトリウム)

ソーダ灰は、ガラスを溶けやすくするために使います。石灰岩の成分が炭酸カルシウムで構成されているのに対し、ソーダ灰の成分は炭酸ナトリウムです。

 

・珪砂(けいしゃ)

珪砂とは、花崗岩が風化してできた砂で、二酸化ケイ素を主成分としています。粉砕して作る人工珪砂を使う場合もあり、耐熱性・耐火性に優れているのが特徴です。陶磁器の原料や研磨剤にも使いますが、ほとんどはガラスの原材料として利用されています。

 

・着色剤

カーボンや酸化第二鉄などの金属酸化物を原料に加えることで、ガラスに色をつけられます。硫化物や塩化物を使う場合もあり、着色剤の種類によって色を変えることも可能です。

ガラスびんの主な色と使われる着色剤には、次のようなものがあります。

酸化第二鉄、カーボン
クロム、鉄、銅
コバルト、銅
色の濃い着色剤を複数混ぜ合わせる
乳白 フッ化カルシウム、フッ化ソーダ、リン酸カルシウム

  

ただし、同じ着色剤でも、使う原材料や融解の条件によって色が変わります。原材料の割合や分量が少しでも異なると、ガラスびんの仕上がりも変わるため、着色剤を含めた原材料の計量・配合には細心の注意が必要です。

現在は、機械を使って自動で計量・調合する方法が主流となっており、品質が均等に保たれるようになっています。

 

 

■【ガラスびんの製造工程】溶解

 

調合した原料を一定量ずつ分割し、溶鉱炉に投入します。投入された原料は約1,500~1,600°Cの高温で溶かされ、ガラスへと姿を変えます。溶鉱炉は非常に大きく、1日で約数十tのガラスを製造することが可能です。

 

・溶鉱炉で生成されたガラス「ゴブ」

溶鉱炉で生成されたガラスは、成形しやすい温度にまで調節した後、びんの大きさに合わせてカットされます。このガラスの塊を「ゴブ」と言い、約1,200°Cの高温を保ったまま製びん機へと送られます。

 

 

■【ガラスびんの製造工程】ガラスびんの成形

 

ゴブを製びん機に送り込むと、次は製品の形に整える成形の工程です。成形工程では、以下の2つの工程を行い、少しずつびんの形を作っていきます。

 

・粗型

粗型工程では、単にびんの大きさでカットされたゴブを、大まかなびんの形へと整えます。粗型の成形方法にはブロー方式とプレス方式の2種類があり、細口びんはブロー方式、広口びんの場合はブロー方式とプレス方式を組み合わせて行うのが一般的です。粗型で成形されたガラスは「パリソン」と呼ばれ、仕上げ型に送られます。

 

・仕上げ型

仕上げ型工程では、粗型で成形されたパリソンを最終的なびんの形に仕上げます。粗型~仕上げ型までは非常にスピーディーな作業が求められるため、1分間で約200本のガラスびんを作ることが可能です。仕上げ型で成形されたびんの底には、製造日・製造場所を示すマークがついています。

 

 

■【ガラスびんの製造工程】徐冷

 

徐冷は、ガラスびんの製造工程において最も重要な作業です。成形直後のガラスびんは約600°Cと高温であり、そこから急激に温度が下がると歪みや割れが生じてしまいます。そのため、徐冷工程では段階的に温度を下げ、30~40分かけてゆっくりと常温に戻していきます。

その際、製品ごとの徐冷点と歪点(ひずみてん)を把握することが大切です。徐冷点とは、15分間一定に保つことでガラスの歪みを取り除ける温度を指し、歪点は急冷しても歪みが発生しない温度を言います。ガラスびんの徐冷点は550°C程度、歪点は450~520°C前後です。徐冷工程において、徐冷点と歪点を用いて最短時間の徐冷曲線を把握することが、製品の生産性を高めるうえで重要なポイントと言えるでしょう。

 

 

■【ガラスびんの製造工程】検査・出荷

 

完成したガラスびんは、検査・出荷の工程へと進みます。飲料や食品の保存容器に使用することも多いガラスびんの検査には厳格な基準が設けられており、基準をクリアしなければ製品として認められません。寸法、クラック・アワ・異物・シワの有無などを検査機や人の目で厳しくチェックし、基準を満たした高品質なびんのみが出荷されます。

また、出荷先の要望によっては、びん表面に印刷やシュリンクラベル、着色コーティングを施す場合もあるでしょう。検査・加工後のガラスびんは、バルクやカートン、P箱(プラ箱)などに梱包し、出荷先へと運ばれます。

 

 

■主なガラスの種類

 

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ガラスの種類は多岐にわたり、建築材に用いるものから、電化製品に用いるものまでさまざまです。ここでは、ガラスびんによく使われる3種類のガラスを紹介します。

 

・ソーダ石灰ガラス

ソーダ石灰ガラスは、二酸化ケイ素・酸化ナトリウム(Na2O)・酸化カルシウム(CaO)などから構成されるガラスです。現在、最も一般的なガラスであり、飲料・食品などに使われるガラスびんの多くを占めています。窓ガラスや食器などにも用いられていることから、最古の人工ガラスとも言われています。酸化ナトリウムを酸化カリウムで代用したり両方を使用したりと、原料や製造方法もさまざまです。

 

・クリスタルガラス

クリスタルガラスは、酸化鉛(または酸化カリウム)・二酸化ケイ素を主成分とする、透明度の高いガラスです。ソーダ石灰ガラスよりも屈折率が高く、カットの仕方によって輝いて見えます。そのため、ワイングラスや工芸作品などの高級品・装飾品によく使用されています。

 

・耐熱ガラス

耐熱ガラスは、二酸化ケイ素・ほう酸(B2O3)・酸化ナトリウム(または酸化カリウム)・酸化アルミニウム(AI2O3)などから構成されており、ホウケイ酸ガラスとも呼ばれています。通常のガラスに比べて二酸化ケイ素とほう酸の含有率が大きく、化学的侵食や熱に強いのが特徴です。薬びんや実験器具、化学工場の製造プラント、大型照明器具などに使われることが多いものの、家庭用の耐熱用品にも用いられています。

 

 

■まとめ

今回は、ガラスびんの製造工程と原材料について解説しました。

ガラスびんは、さまざまな原材料を計量・調合し、溶解・成形・徐冷・検査の工程を経て製造されています。製造工程や原材料を知ることで、ガラスびんに対するイメージがより明確になったのではないでしょうか。ガラスびんの種類によって適した中身も異なるため、製造を依頼する際は、ぜひ製造工程や原材料にも注目してみてください。

 

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